鍼灸院クレールのブログ

鍼灸院の日常と東洋医学について

肝の働き

五行論で春は「肝」に相当する季節で「肝」の働きが良くなると説明しました。

 

今日はこの働きを少しずつ説明していきます。

 

 

まず、西洋医学の「肝臓」のイメージを一旦無くした方が頭に入りやすいかと思います。

 

似たようなところもあるのですが、無理矢理当てはめると、こじつけのようなことが起きるのでやめたほうが得策でしょう。

(僕自身専門学校の時に勘違いして軌道を戻すのに苦労しまし^_^;)

 

それでは、1つずつ挙げます。

 

1、肝は疏泄・条達・昇発を主る

 簡単に説明すると、草木のように上に(昇発)のびのびと枝葉を伸ばし(条達)気をすみずみまで行き渡らせる(疏泄)様をこの3つの言葉で表しています。

伸びやかな感じが伝わると思います^_^

異常を起こすと、イライラ感が絶えずしたり、怒ったり、とストレスが溜まった時のような症状が出ます。

 

 

2、肝は血を蔵す

 血を貯蔵し、全身への血の量を調整します。

この血が不足すると筋肉のひきつれ、視力の低下などが見られます。

 

 

3、肝は筋を主る

 筋肉の動きを滑らかにするような働きがあります。また、爪は東洋医学で「爪は筋の余り」といわれ、筋の異常が爪に出ることあります。

(経絡の末端は爪なので経絡の異常でも爪に出ることがあります)

 

 

4、肝は罷極の本である

罷極という言葉が難しいですが、疲労困憊の様な状態で、それに耐えられるのが「肝」ですよ、ということです。

何らかが原因で「肝」の機能が落ちた場合、疲労を感じやすくなり、気の停滞を起こします。

 

といったような感じです。

 

どの蔵も大切ですが、この「肝」凄く症状に関わってきます。

 

この「肝」説明した通りそれなり疲労に耐えられるようにしてくれるんですが、それが仇となってあとで疲労が津波のように押し寄せてきます。(休息や睡眠が大事になってきます)

 

何かと「現代はストレス社会だ」とか「会社の残業で疲労困憊だ」とか言われる時代ですから、この「肝」とどう関わっているのかは頭の片隅に絶対います^_^

 

 

参考文献

鍼灸臨床能力 」 藤本蓮風  緑書房

中医学入門」神戸中医学研究会  東洋学術出版