鍼灸院クレールのブログ

鍼灸院の日常と東洋医学について

最近読む本

最近、張景岳という方の本を読んでいます。

 

明時代の中国の名医です。

 

 

鍼灸東洋医学の原典である素問や霊枢などを引き合いにだし、それに対する的確な考察をしているのですが、その考察が凄いこと凄いこと^^;

 

 

ある時は原典でさえ痛烈に批判をしたりして、臨床だけでなく、学術も優れてた方でした。

 

 

そんな名医でも書物の中で脈についてこうのべています

「色々な脈診あってどれも明確で素晴らしいものだけど、どれを中心にみればいいのか分からなかった」

 

すごい名医でもやっぱりそういうもんなんだなーと月並みな感想をもったのですが、その後こうのべています

 

「脈に対する意見は色々な人が述べているが、どれも大切なところが抜けて、それどころか無駄に説明ばかり多くなって、治療の本来の目的を失っている」

 

 

何事も頭でっかちに成りすぎるのは良くないということでしょうね。

 

最後に

「ただ神(しん)をみるものは、1つみて(脈やお腹とか舌など聞診のひとつだけみて)診断し治療できる」

と言っています。

 

 

この神とは東洋医学で色々な解釈で使われますが、「その人の外見パッとみての生命力」というようなニュアンスでしょう。

 

 

脈1つに拘りすぎないように、と釘指しているわけです。

 

 

この言葉は忘れてはいけない言葉の1つだと思います。

 

昔の名医のキツイ一言胸に刻みます。